骨折を振り返って、落ちた原因と対策を色々考えてみた。

勉強

こんにちは、つぼっちです。

前の記事では、ミラースタンドのリップから落ちて踵骨骨折した事について書きしました。

ちょっとした油断や焦りが、大惨事を招く事を改めて痛感。

1番大事なトップシーズンを無駄にしてしまい意気消沈しましたが、少しでも早く復帰して前以上に強くなる為に気持ちを切り替えます。

と言う事で今回は、当日の行動を振り返って色々考えてみました。

最近愛読しているパフォーマンスロッククライミング誌で学んだことも含めて自分なりの解釈で書いていくので、それはおかしいってとこがあれば教えて下さい。

それでは早速書いていきます。

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落ちた原因を考える

  • ①覚醒レベルの上昇による判断力低下
  • ②ピアプレッシャーによる焦り
  • ③オブザベ不足

①覚醒レベルの上昇による判断力低下

覚醒レベルとは、体の中で働く心理系機能、自律系機能、運動系機能という基本的な3機能の状態の変化により操作されるもの。

覚醒レベルが上がりすぎると、各機能に以下のような異常が起こる。

心理系機能:反応速度は上がるが、目の前のことしか見えなくなり、先のことが考えられなくなる。

自立系機能:心拍数が上がり、呼吸が浅くなり、手汗が増える。

運動系機能:筋肉が緊張して使わない筋肉まで力が入る。

クライミングパフォーマンス的には良くないですね。

リップ落ちした時の動きに置き換えると、

リップで身の危険を感じて焦り、呼吸が浅くなる(自立系機能上昇)。力が抜けなくなりパンプ(運動系機能上昇)。思考が鈍ってパワーで無理やりマントル返そうとする(心理系機能上昇)。手が滑って耐えきれずに落下。

という感じでしょうか。

焦ってパワーで解決しようとして落ちる…。まるで初心者さんが6級で落ちるような状態ですね(汗)

②ピアプレッシャーによる焦り

ピアプレッシャーとは、仲間からの圧力の事で、”周囲に合わせなければ”という同調圧力によって精神にストレスがかかる事を言います。

組織で言うと大勢の意見に従わなければ評価が下がる…みたいな状態。

上手くコントロールすればメリットにもなりますが、今回はデメリットになってしまった。

当日の僕に置き換えると、ミラースタンドをセッションしていた仲間達が先に完登してしまい、僕も登らないと弱いと思われる。負けたくない。と思い込んで焦ってしまった。

登りたい理由が自分のためではなく他人本意になってしまい、視野が狭くなり冷静な判断が出来なくなった。

その結果はご存知の通り。

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③オブザベ不足

これは説明不要。一番の原因はシンプルにオブザベ不足だと思います。

上部が少し悪い(テクい?)と知っておきながら、ムーブを全然考えてなかった。

しかも先に登った仲間のムーブを見ていたはずなのに、自分の登りに置き換えてイメージすることもなく、突っ込んでしまった。

Bonでお客さんに、足とムーブが大事ですよ!と豪語していた自分を蹴飛ばしたい。

対策を考える

覚醒レベルをコントロールできるようになる

クライミングはテクニック主体の運動なので、覚醒水準は中くらいがベスト。高強度では少し高め、コーディネーション系は少し低めが良い。

覚醒レベルがコントロールできるようになれば、すぐに呼吸を落ち着かせて整えたり、先のムーブを考える余裕が作れるようになる。

コントロールするための考え方やトレーニング方法については、パフォーマンス誌に色々書いてるので是非読んでみてください。

ピアプレッシャーが必要か避けるか選ぶ

ピアプレッシャーはうまく使えば強力な覚醒を引き起こしてくれる。

ジムで、難しい課題を誰が先に登れるかを競い合ってモチベーションを高めるのは良いプレッシャーになる。

今回の僕みたいに、勝負してるわけじゃないのに人目を気にして、登らなきゃダメだ、みたい状態はデメリットになる。

そんな時は一度落ち着いて、その課題を諦めて予定を変えるとか、NOと言える勇気も必要。

岩では特に、ケガの危険が多いので、ピアプレッシャーの使い方に注意が必要ですね。

あらゆる危険を察知し、準備して登る

当たり前な事だけど、1番大事な事ですよね。

難しい課題はもちろん、簡単だと思う課題でも、しっかりオブザベする。

ムーブだけじゃなくて、下地に対する落ち方とかマットの引き方、スポットして欲しいか否か、まで考える。

そこまで考えて登れば危ない落ち方はほぼしないだろうし、ケガも減る。

あらゆる危険を察知して、準備して登れる人が強いクライマーなのかもしれませんね。

まとめ

最近は初段をワンデイ出来ることも増えて、初段に対する恐怖心が薄れてしまっていました。その驕りが踵骨骨折という結果を招いてしまった事は確かです。

僕は人目を気にしすぎて自分の意思が疎かになりがちなタイプなので、もっと精神的な面、心の成長も必要ですね。

この記事が少しでもケガの予防に役立てたら嬉しいです。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

それでは、良きクライミングライフを!

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コメント

  1. ノリオ より:

    どうも、ノリオです。
    動画では飛び降りたように見えたけど落ちたんだねー
    まあ、あの高さからだと衝撃も凄いよね。

    僕は普段ノーマットで登ってるから、マット使ってる人よりも冷静に判断するように心掛けてます。
    一線を越えるか越えないかの段階でよく考えるように。

    元来臆病者なので、ビビリ敗退も数多く。
    まあ、そのせいで成果なんてずっと無いけど 笑

    でも、そのおかげでクライミング始めて10年、いまのところ大きな怪我もなく過ごせているような気がします。
    マット使ってたころは無理してたけど。

    いまは落ちそうな状況でも、着地がヤバそうなら死ぬ気で少しでもクライムダウンする。一歩でも半歩でもクライムダウンする。必ず生きて帰る。怪我無く帰る。に全身全霊をかける。ようにしてます。

    あるよね、同行者が先に完登して置いてけぼり。
    あれはホント焦る。

    まあ、僕は年齢も年齢なので諦める選択をすることが多いです。
    10年の経験もあるので、その状況下では僕のパフォーマンスは下がってしまうことを知っているので。
    ・・・ただ、後日単独で突っ込むこともあるけど。

    マットを過信しない。スポットを信じない。自分で自分の身は守る。それが出来ないなら敗退を選ぶ。お前は(僕自身ね)そんなに実力はない。“遊び”感覚を失った登りはしない。
    これが僕の岩場での基本理念。

    今回のツボッチの記事でいろいろ知らないことを知れたので、改めて岩場に向かう姿勢を考え直す機会ができました。

    今シーズンは回復に専念して、来シーズンでもこのオッサンと岩場で遊んでやってくださいな。
    禊にでも付き合うよ 笑笑

    一日も早く回復・復帰出来ることを祈ってます。
    無理しちゃダメよ

    • つぼっち より:

      ノリオさんありがとうございます。
      今回のケガで”自分の身は自分で守る”ことの大切さが見に沁みてわかりました。
      マット引いててもスポットしてても、ダメな落ち方したら意味がない。

      死ぬ気でクライムダウンは選択肢になかったので…今後は全力で生還することも意識して登りたいと思います。

      しっかり治して必ず復帰するので、是非また岩場で遊んで下さい。

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