ドリルパーマ(四段)の完登記録。岡山県王子ヶ岳ボルダー。

外岩

前書き

2025年2月6日、王子のドリルパーマ(四段)が登れた。

この日は大寒波によるフリクション向上と、ムーブやホールディングが全て噛み合いほぼ一撃で登れてしまった。(初手で一回落ちたのは内緒)

終わりは突然で自分でも驚いたが、数年間の努力が実りとても嬉しかった。地元岡山の高グレードが登れたというのも感慨深い。

グレード関係なくもっとムズい課題は王子はいくらでもあるが、ひとまずこの喜びを噛み締めよう。

折角なのでトライの記録を少し振り返ってみようと思う。

完登までの軌跡

2020年10月。玉野ボルダリングエリアガイドVol.1が発売。(Vol.2は2022年11月発売)

王子の登竜門であるグリコ(3級)がある岩のすぐ奥に黒いアイドル(二段)という課題があることを知り(それ以前から知ってはいたか?)、当時はスタートが極悪すぎて離陸すらさせてもらえず打ちひしがれたのを覚えている。

2023年2月。数年ぶりに王子熱が上がり暫く通った。登れていなかったハングマンSD(初段)やミヤゾノリッチ(1級)を打ちこんで完登。

トポVol.2に記載されている天狗山に何度か登山したのも懐かしい。天邪鬼(初段)は名作だった。

久々に黒いアイドルを触ってみると離陸できるようになっていた。しかし全く体を引き上げることが出来ず、右足がルーフ面に吸い込まれて為す術なし。初手取りは絶望的だった。

2024年3月。このシーズンは県外の岩ばかりに精を出していて、地元岡山の岩は一切手付かず。

シーズン終盤、ふと思い出して心の片隅にあった黒いアイドルをトライしに行った。すると驚いたことに、スタートホールドが以前よりも持てた。更に数トライで初手が取れてしまった。

そのまま完登とはいかなかったものの、その日のうちに登りきることができた。とても嬉しかった記憶がある。

ブラアイを登りドリパの挑戦権を得たので意気揚々とロースタート開始。王子には珍しいルーフのガバ棚スタート。初見ではホールドを見出せないほど細かい粒子の凹凸をコンプレッションで抑え込み、ブラアイのスタートに合流するのだが悪いのなんの。

1手ずつバラしを進めて全ムーブ解読した頃には春が到来し、無念のジムトレ期間となった。

2025年1月。年末年始遠征から帰ってきてインフルからの風邪のフルコンボで2週間ほど体調不良が続く。

復活後は体を花崗岩に馴染ませる為、天狗山のハテンゴ(初段)を登った。シビアなマントルの名作。

スポンサーリンク

2025年2月。大寒波到来で気温が氷点下に近づいた。絶好の機会を逃す訳にはいかないと王子へ出向く。

5度以下になるとフリクションが劇的に向上していた。やはりシビアな花崗岩は気温核心でもある。

ドリパは高強度なのは勿論のこと指皮のダメージも半端なく、1日5トライほどで体が終わってしまう。ドリパの為に登り込むのを我慢してレスト日を増やし指皮を整えてから挑む必要があった。しかもたった5トライでまた数日指皮レスト…と、人より自由に登れる時間と日数が多い僕にとっては拷問だった。

もっと岩もジムもいろんな課題やりたいのに。生まれつき指皮強いタイプの人がとても羨ましい。。まぁそれを言っても言い訳にしかならない。強かろうが弱かろうがやるやつはやるのだ。と自分に鞭打ってレストした。

ドリパをトライする日のルーティンができた。

朝食を摂りビーストメーカーでアップしてから出発。岩場に着いたらニコニコ岩を眺めながらラジオ体操。グリコを登ってトラバースして戻ってを数回繰り返し、足裏感覚と指先感覚を研ぎ澄ます。ドリパのホールドにチョークを軽くのせつつブラアイを再登して指と体の芯を温める。本気トライ開始。といった流れだ。

暫くはリンクするパートが安定せず合流できずに落ちる日々が続いた。

しかしそんな中でもブラアイは徐々に体を引き上げきれるようになり、ついに右足を垂壁面に開いて挟めるようになった。

これによって初手取りの安定感が増した。大きな進歩である。

そして2月6日、全てのピースがはまりドリパを完登することができた。

クライミング能力(特に保持力)の成長を感じる。

喜びのあまりインスタに即投稿。極寒の中文字打ってたら体冷えて風邪引きかける。

そのあと象岩ダイレクト(初段)とオリジン(二段)敗退(爆風で寒すぎた)して、新作の逆夢(三段)を眺めて帰路についた。

まとめ

同じ課題を通って打ち続けるのが苦手なので自分との闘いだったが、諦めずに通ってチャンスをものにできたことで少し自信がついた。

登れる課題を沢山登るエンジョイクライミングと限界グレードをつきつめるハードクライミング。

大抵の人はどちらかに寄っていくと思うけど僕は両方やりたい。クライミングを一生楽しめたらいいな。

さて、次はどの岩を登ろうか。

最後まで読んでくれてありがとうございました。それでは皆さん、良きクライミングライフを!

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました